2012年4月14日

大友克洋GENGA展

3331 Arts Chiyodaで行われている大友克洋GENGA展、初日に行ってきました。いやー、もう(物販を除いて)素晴らしいの一言ですね。カラー原画の繊細な筆使い、崩壊するビル群の書き込みと窓への鬼のようなスクリーントーンの貼り具合い…まさかAKIRA「全て」を「原画」で読める日が来るとは…。「リアルの紙」に「手描き」している原画から沸き上がってくる圧倒的なパワー、感動はやはり昨今のタブレットで描いたイラレやフォトショップによる絵のプリントアウトでは出てこないでしょうね。。。私的に一番のツボだったのは童夢のチョウさんの見開きの顔のアップの原画で、鼻の頭にホワイトの修正がのっていたことでしょうか。勿論本にはこのホワイトは出ないんですが、何の前情報も無くこの原画だけを見ると「鼻の頭にホワイトを乗せられたことに驚いてるお爺ちゃん」状態で、妙に可愛かったです。また私が原画で確認したかったのは、アキラ等が「ドクン」とした時等に時々見られた、絵が二重にダブった様な表現です。その表現のコマはどれも原画からくり抜かれ、(おそらくそのコマのみ2重にダブる様にコピーして、それを原画として)裏から貼られており、これはまぁ、やっぱそうだよね、って感じでしたでしょうか。
展示方法ではAKIRAの原画の展示什器が非常に良かったです。webで会場の画像を見た時は段数の多いガラス棚のショーケースに展示されているのかな、と思ったのですが、実際はガラスは外観だけで、原画を陳列している棚自体はガラスでなく、ピンと張った細いワイヤー(一つの原稿の上下幅に大して5本位の割合)に乗せている状態でした。このことにより複数段の原画達がガラスで仕切られることなく、宙に浮いた様ないい感じのレイヤー感が生まれ、それがAKIRA自体のカオスなビジュアルとの視覚的なマッチングが非常に良かったです。限られたスペース内での膨大な量の原画展示手段としても非常に有効な手段だとも思いますし。…3331は他の企画や展示を全てやめて、フランスがルーブルでモナリザを展示しているのに匹敵する、日本の国宝級な「MANGA」のGENGA展を永久展示にした方が良いんじゃないですかね?寄付もより集まるでしょうし。あ、3331でなく311と改名して永久展示が良いですね。ジブリ美術館と並ぶ、外国人の観光名所にもなると思うのですが。


会場内は撮影禁止でしたので、撮影可な場所の画像を少々。500円以上寄付するとまたがれた金田のバイクです。これは2004年の東京モーターサイクルショーに展示してあった、大友克洋氏やAKIRA出版元の講談社公認のモデルで、非常に良い出来です。この再現性でちゃんと公道も走れるってすごいですね。(ってことはちゃんと曲がれるんですねw こちらに当時の記事がありますが、エンジンから後輪へのチェーン3本を経由した力技な動力伝達がすごいです)


ハンドルまわり。カーナビも搭載し、スピードメーターやタコメーターはLEDで点灯する様です。


側面のキヤノンロゴステッカー。微妙にオリジナルと違う(nの縦二本線の間の上端の角にRが無い)のはあえてなのでしょうかね?


その隣にある「ズン」の壁。童夢でチョウさんがズンとされた壁がリアルに再現されています。


そのとなりの壁には訪れた著名漫画家の方による書き込みが。どれもいい味出してます。日々追加されている様です。


…と、作品展示は非常に満足のいくものだったのですが、見終わってからの物販があまりにも酷かったです。予約して展示を見た方だろうが、単に買いに来た方だろうが全て階段を3階までぐるぐるの長蛇の列に並ばなくてはならず、なんと2時間待ち状態でした。初日だったからというのもあるかもしれませんが、少なくとも定員、予約制をとっていながらこの状態はあんまりです。図録すら買えなかった展覧会って初めてです。食い入る様にじーっくり原画を鑑賞した後にそんな並ぶ気力残ってませんし、そもそも見終わった後にそんな並ぶ時間なんて予定してません。少なくとも展示を観た方と直に買いに来ただけの方と販売スペースを分けるべき、それが無理なら最低限図録だけでも会場出口で別に売る等、何かしらの手段等が必須かと思われます。
これをアップしている(2012/4/14)時点で、平日の夕方ならば今は空いているらしいのですが、初日に気合い入れて観に行って、並ぶ時間など取れずに何も買えなかったコアな人々はどうしたら良いんでしょうね?寄付は良いんですが、その前にまずその入場料を支払って観に来た来場者のことをまず考えて欲しい展覧会でした。観た後に図録やポスターをさくっと買って帰れたらどれでけ気持ち良かったことでしょう。。。あまりの後味の悪さにこの後新宿でヤマト2199を観て帰宅したのでした。(ヤマトは結構良かったですよ。)