2016年2月27日

コラーニデザインの京扇子、キタ!

昨年、友人の乙井さんがクラウドファンディングにエントリーし、見事成立させた(サイトはこちら)、ルイジ・コラーニデザインの京扇子、とうとう完成し、先日届きました。いやー、もう素晴らしい出来栄えです。一個人の熱い思いからクラウドファンディングへのエントリー〜プロジェクト成立〜扇子職人さんとの仕立てへのやりとり〜親骨のインジェクション成型屋探しと難しい成型条件クリア〜パッケージ、リーフレットの製作その他、しかも全てが本業の会社勤めの合間での作業、本当に大変だったと思います。(昨年夏、クラウドファンディング成立おめでとうの会をした時の様子はこちらにアップしています。)

ということで、届いた現物の画像をアップします。まずは閉じた状態とパッケージ。閉じた状態からして既にカッコイイ。これまで見たことのない、左右非対称な黒い扇子。


開くとこんなです。この扇子は「かはほりあふぎ」と古語で名付けられ(「かわほりおうぎ」と読みます。)、そのかはほりあふぎとは「蝙蝠(こうもり)の扇」を意味し、まさしくこうもりが羽根を広げた様でな扇子です。言わずもがな、デザインの最大の特徴である親指部と背面の薬指部のフィンガーレストが心地よく指にフィットし、扇子にこれまでに無いホールド感を与えています。


親指部はこんな形状をしています。コラーニ教授のおおざっぱな(失礼!)スケッチを元に非常に上手にまとめていると思います。


別のアングルから。ポリカーボネート製でこの肉厚インジェクション成型がヒケずに良く出来ています。「このボテ肉部が最悪、裏面に肉抜きの形状が必要そう。。」と、クラウドファンディング成立おめでとうの会で乙井さんにヤボなお話しをさせて頂いたのですが・・・そんな、いわゆる家電量産品の様な成型上止む無しな形状修正などせずに、見事に上下面綺麗な厚肉成型を実現させています。きっとインジェクション成型時の型温度や成型圧、成型時間等、試行錯誤をかなりされたかと思われます。


反対面も良く出来ています。親指部の裏には「made in KYOTO」の刻印があります。


親骨先端部には凸でコラーニロゴが入っています。


同梱されているリーフレット、シリアルナンバーカード、コラーニ教授のスケッチがプリントされたカード。


リーフレットには扇子にまつわる歴史や空力的な話から、和紙部が破れた時の仕立て直し時の連絡先等が記載されています。私のUTの名も記載して頂いてありびっくり。ありがとうございます。


で、リーフレットの空力の部分を読んでいて気が付いたのですが、このフィンガーレストを有するコラーニデザインの扇子はホールド感向上だけでなく、結果的に送風量増加という扇子本来の機能向上にも多少なりとも貢献していることに気づきました。

従来の扇子は親骨から中骨部にかけておおざっぱにがばっと持つホールドだったので、

・階段状の骨部を持つので決して持ちやすいとは言えないホールド感。
・中骨部を持つので、扇ぐ時の中骨のしなる領域を狭くしている=中骨のしなりが少なくなるので「しなりの空力弾性効果」からくる送風量を減少させている。

という様に、持ちにくい上に中骨のしならせるべき領域を持っているので送風量を減衰させてしまう把持だったのですが、今回のコラーニ扇子は上下の親骨部にフィンガーレストを設けているので、

・指先に心地よくなじむ、これまでの扇子にはないホールド感の実現。
・上下の親骨部に指をあてる持ち方なので、自然と中骨部には指があたりにくくなる=中骨のしなる領域が広がる=同じ扇ぎ方でも送風量増加につながる。

となり、ホールド感の向上と共に扇子本来の機能向上を果たしているという、素晴らしいデザインだ、ということに気づきました。(パテントとれませんかね?て言うか、コラーニ教授は最初からそこまで計算してデザインされていた?)

最後に、数年前、私がSYD MEADさんと作った腕時計と今回の乙井さんが実現させたコラーニ扇子の両パッケージを並べてみました。偶然似た様な仕上がりで良いですね。2大巨匠の最新作のプロダクトがどちらも日本発、て言うか、ファンの熱意発、て言うか、私と乙井さん発。


今回の扇子はクラウドファンディング支援者の方の分の制作で終了となってますが、少なくともこの扇子を手にした支援者の100人余りの方々により、リーフレットにあるように「国産扇子の需要喚起と産業の活性化、技術継承」に何かしら貢献出来ればと思います。しかし、本当は出来ればこの「かはほりあふぎ」が今後もずっと長く作り続けられ、より多くの方々に使って頂けると、より良いのですが。。。突破口は乙井さんが作ったので、京都扇子産業の方々、是非!・・・以上、クラウドファンディングにより実現した、コラーニデザインの京扇子のご紹介でした。