2019年5月8日

SEIKO HYBRID SP H239-5020 / セイコーの顔風デジタル

1980年発売のセイコーのハイブリッドSPです。液晶デジタル表示の上にスピーカーとアナログ時計を搭載しており、そのレイアウトが顔の様です。スピーカーに見えるところはスピーカーコーン風なディティールをしているだけで(四隅のネジも印刷です。)、実際は中に別途設けられたマイクロスピーカーからの電子音が中央に空いた穴から流れます。


もうちょっと引いた画像。タグ付きのかなりデッドストックに近い状態です。この時計も最近は中々程度の良いものが出てこなくなりました。特にアナログ時計部の不動のものが多く、ステップモーター運針による時刻合わせだったからか、リューズ操作が出来なくなったものも多い様です。


この顔っぽいデザインから、当時の広告もこんなでした。赤い帽子を被らされ、同時期に流行ったウォークマン風ヘッドホンを付けられちゃってます。


当ブログで何度か登場している1981年当時の1枚ペラのカタログにも掲載されていたのですが、


正面から撮影しようとするとiPhoneも「顔」と認識して黄色い顔認識した枠が出ますw


しかし、この顔風デザイン、よく見るといろいろと気になる箇所があります。ここまで顔風にしたのにスピーカー部とアナログ時計部の上下方向のセンターはどうしても合わせられなかったのか?とか、SEIKOのロゴ位置はセンターでなく、そこがベストだったのか?とか、SELECT の位置はそこで良いのか?だったら SETも反対側のそこにすべきでは?もしくはSELECTを写植で長体かけてRESETの下に入れるのが面倒だったのか?とか、


ケースの上下のテーパー面、下は鏡面のポリッシュ仕上げなのに、何故に上はこの様に1段下がった面でヘアーライン仕上げなのか?とか。。
しかしこう気になる点を羅列していたらこの全てのディティールにおける上下左右非対称さ具合は、当時の広告の赤い帽子を被らせたキャラ付けからも、ちょっと遊んでる風な「お茶目な感じ」の演出の為にあえてそうしてる気もしてきました。お茶目な演出としては非常に控えめですが、その控えめさ具合もセイコーらしいと言えば言える気もします。(シチズンだともっと直球勝負なデジアナジェットボーイな感じになりますね。)デジボーグではカッコイイ、未来的なサイボーグな演出、こちらではキャラ感とセイコーのできる精一杯なバランスの崩しでユーモアな演出、当時で言うところのちょっと「翔んでる」感を表現した腕時計、といったところでしょうか。違いますかね?セイコーさん


で、スピーカー部はガラスに穴が空き、そこからスピーカーパーツが顔を出し、音が出る様になっています。防水性は確保してのことだとは思いますが、そこから入った湿気からか、アナログ文字板部の劣化が激しいものが多々見受けられます。


顔に対して背面は極めてシンプルです。


裏蓋を開けてみました。バッテリーはSR1130SWが入ってましたが、SR1130Wを使用すべきですね。


ムーブメントを取り出すとこんなです。


スピーカー部はガラスに小さい穴の空いたパーツが貼り付いてます。


ムーブメント。スピーカーの位置はこの顔モデルはここですが、他のモデル用にスピーカー位置が上の方に変更できるらしき丸い穴がスピーカー上方にあります。


同モジュールの他のデザインバリエーション。この顔モデル以外は全てスピーカーが上の方です。


最後にもう一度斜視。セイコーにしてはかなりとぼけた、異端児なモデルです。


以上、セイコーの顔風デジタル時計のご紹介でした。

2019年5月2日

CITIZEN HISONIC / シチズン ハイソニック

なんか、だんだんシチズンの軌跡(シチズンのこれまでのマイルストーン的な製品を紹介しているページ。こちらです。)に掲載されている60〜70年代の時計を端から順に入手している気がしてきましたw これは1971年発売のシチズンの音叉時計のハイソニックです。ハイソニックにもカラーグラデ文字板等いろいろありましたが、これは白文字板でデート表示も無く、極めてシンプルなモデルになります。


シンプルなデザインながら、ケースのデザインがまたオリジナルな形をしています。ポリッシュ仕上げされた側面のテーパー面の上下端にラグがピョコっと飛び出しています。


正面下方から。当時のケースデザインの新しい造形への試みはセイコーよりもシチズンの方がかなりチャレンジしていたと思います。


正面投影面積を増やしてでもケースの左右をテーパー面でぼよーんと膨らませ、薄いエッジを際立たせて薄くみせることをしています。


正面から。この上下のツノが良いです。STAR WARSのグリーバス将軍の顔の様でもあります。


正面下方からもう一枚。リューズが結構ごついですね。


裏面。ハイソニックの金のメダルが付いてます。


音叉ムーブメント。上の方にBULOVAの刻印もあります。


前にアップしたコスモトロンスペシャルと。造形の方向性は全く異なりますが、それぞれに良いです。


以上、シチズンの音叉時計のハイソニックのご紹介でした。

2019年5月1日

CITIZEN COSMOTRON スペシャル SPECIAL / シチズン コスモトロン

令和元年、最初のアップです。これはシチズンから1972年に発売された電磁テンプ時計です。Cal:7800、10振動で世界初の時報合わせ機能もある、シチズンの電磁テンプ時計の最終形態かと思われます。
電磁テンプとしてハイスペックな時計ですが、ケースデサインもそれに相応しい、骨太で重厚なケースがカッコイイです。


正面からみるとかなり普通な感じですが、


側面から見るとソリッド感のあるケース厚が見え、カッコイイです。


反対側面。時報合わせ機能のボタンがあります。押すと秒針が12時位置ににリセットされます。(正確にはボタンを押し込むと針が12時位置にリセットされ、ボタンを放すと動き出します。)すごいのは57分から3分の間に押すと分針も12時位置にリセットされます。


両サイドのテーパー面の3次曲面による絞り込み具合が良いです。ラグ部のケース上面も3次曲面で、側面との稜線のエッジを真正面から見てほぼ直線で走らせつつ下降させていき、ラグの開口部の角に一致させる為にそれぞれの面を3次曲面の切削で合わせ込む作業をしています。3Dモデリングなど無い時代、稜線を蛇行させることなく、面を歪ませることなく、両立させつつこの立体を作るのはかなりの技術を要したと思われます。


側面の強烈な面のねじれ具合がランボルギーニ・アヴェンタドールのバックミラーからエアインテークあたりまでのねじれ面並に良いです。


で、背面がまたカッコイイです。裏蓋はありません。電池蓋と緩急調整のマイナスビスの様なレバーがあります。よく見ると継ぎ目があるので、ワンピース構造ではない様ですが、このソリッド感、セイコーの300ダイバーの様でもあります。


腕に巻いた状態。腕に巻くと意外と小ぶりです。


正面から。極めてノーマルでキチンとした印象ですが、秒針の後端がシチズンの他の電磁テンプに見られる独特な形状をしています。


最後にクオーツ版の電子帰零装置のあるクリストロンと。このクオーツモデルもオリジナルなデザインで良いのですが、よく見ると秒針の先端を水色にしてるのがまたシチズンらしいです。


以上、シチズンのコスモトロンスペシャルのご紹介でした。

2019年4月25日

CITIZEN AutoDater / シチズン オートデーターにジェットマーク秒針の移植

前にこちらにアップしたシチズンのAutoDaterですが、秒針もこのモデルと同じジェットマークを印刷した透明円盤の秒針にするとこの頃のシチズンの3針時計における「表示系全部入り」になり、こてこてさ具合が完璧になって良いんだけどなー、と思い、以前にトランスコンチネンツから発売されたジェットマーク秒針入り復刻モデル(シチズンのジェットマーク秒針を使用したモデルをトランスコンチネンツがクオーツで復刻したもの。カラバリ展開など結構なバリエーションが出てました。)を入手し、その秒針を移植することを試みました。

まずはその結果の画像がこちらです。透明円盤に赤いジェットマークが印刷された秒針を移植することが出来、チチチチチとゆっくり文字盤上を周回運動していきます。


以下、その過程のアップです。実はPHASE 1~3と、かなり時間がかかりましたw

PHASE 1
まずは購入したトランスコンチネンツの時計。メルカリでなんと620円で購入。これは安いーと、あまり考えずにポチったのですが、来てみたらなんとレディースサイズでした。(安さのあまり油断しました。この時計にはこのモデルよりも大きいメンズサイズがあります。)


とりあえず並べて撮影。そもそもオートデーターもでかいので、その大きさの差はかなりあります。トランスコンチネンツの透明円盤秒針もレディースサイズなのでかなり小さく、これを入れるとかなりちんまりした感じになるるけどどうしよう、と思いつつも、、、


とりあえず移植を決行。まずはトランスコンチネンツのバラシ。ここまではあっさり進みますが、この極薄の透明シート状の円盤を歪ませずに、傷を付けずにどう抜きとりましょう。。


まずは薄い塩ビシートを切ってスリットを入れ、そのスリットを回転軸に沿う様に透明円盤の下に横から挿入し、スリット部をテープで固定。この状態で塩ビシートごと上にそっと持ち上げれば取れるかと思いきや、、、意外としっかり固定されててダメでした。で、剣ヌキで中央のわずかに突出している金属部分をくわえて抜こうともしましたが、金属部の突出量が少なく、つかむことが出来ずにこれも断念。


最後は文字盤に傷防止の紙を敷き、透明シートと紙の間に精密マイナスドライバーを横から入れ、そっと分針を持ち上げる様にし、それと一緒に秒針円盤を押し上げる様にしたら上手く外せました。透明円盤にはジェットマークの印刷の後端にゴミの様なものが付着していたので、それも円盤を歪めない様に爪楊枝で慎重に除去。


次はオートデーターの針抜きです。裏蓋を開け、(シチズンジェットシリーズの特徴的なドーナツ型のローターがこれです。)


画像右の剣抜きで秒針を抜き、それと入れ替えで透明円盤をそっと置き、左の道具で円盤センターをそっと押して固定出来ました。そもそも50年くらい前の秒針の取り付け部に現行のクオーツムーブの秒針が付くかも不明だったのですが、とりあえず付いてくれました。やったー


で、ムーブをケースにしまって完成。やはりジェットマークの位置はかなりセンター寄りですが、とてもいい感じです。


手に取った状態。うーん、カッコイイ。これはこれで完成してカッコイイけど・・・見れば見る程ジェットマークをもっと外側で回転させたくなり・・・


PHASE 2
結局、同トランスコンチネンツの一回り大きいメンズサイズを購入しました。これもメルカリでちょい高めの2,400円で購入。


並べて撮影。今回はサイズが一回り大きいのでジェットマークの円盤、印刷も一回り大きいです。


同様に円盤を取り外し、


こちらの円盤も取り外し、大きさの比較。かなり大きくなり良さそうです。


大きい方の円盤を置いた状態。やっぱこのくらいの方が良いです。印刷の色がかなりピンクっぽいのですが、まぁ許容範囲内です。


で、最後、押しこんで完成だ!と思いきや・・・これが何故かつけることが出来ませんでした。いくらセンターを合わせてそっと押そうとしてもはじかれる感じでダメです。うぅ、、何故だ?30分位ちまちまやっていたのですが。。。


で、もしやと思い、円盤を裏返してルーペで見てみたら、なんと軸の先端の形状が中央に穴の空いた筒状ではなく、穴無しで丸くホックの様になってました。がーん。下手に押し込んで筒を歪ませた等のレベルでなく、まるまるした球状の先端です。これでは付く訳がありません。。秒針の軸の先端がこんな形をしたムーブがあるのですね・・・最近のクオーツムーブの秒針はこんなのがあるのでしょうか??


こちらは何も問題なかった小さい円盤の方の軸。素直に筒状態になってます。こういう状態でないと付けることは出来ないです。


その後丸い先端になんとか後ろから穴を貫通することは出来なかとか、最後は丸い先端をニッパーで切ったら穴が顔を出すかとも思い試みたりしたのですが、ダメでした。くそー

ということで、諦め、円盤は小さい方に戻して再び組み直し、風防の上にダメだった大きい円盤を乗せ、真上から記念撮影しときました。ランデブー飛行してます。残念だけど小さい方のジェットマークは付いて元気に回ってるので、よしとしました。


で、上の撮影をした後、大きい円盤をトランスコンチネンツの時計に戻そうとしたのですが、これがまたなんと付けることが出来ませんでした。。トランスコンチネンツの時計の方の軸を見てみるとやはり普通の時計同様、秒針の軸がセンターから出てましたので、やはり秒針側の軸は筒状でないと付けることができない状態でした。

・・・てことは、やはり円盤を付ける時の位置がずれた状態での押し込みの繰り返しで筒が歪み、丸い先端になってしまったってことでしょか???当然ずれた位置で強く押し込む様なことはしていないのですが、そうだとしても筒が潰れた様な歪みでなく、丸い先端になるなんて・・・でも私が変形させた以外、原因は考えられません。そんなに軸の金属柔らかいんか??何故丸くなるん?? 悔しい。。。

PHASE 3
で、悔しいので、またトランスコンチネンツの時計を入手しました。3本目!これでダメなら諦めます。今度はヤフオクでちょい競り合って3100円で購入。黄色い文字盤が眩しいモデルです。


さて、3度目の正直になるか!?


さっさとバラし、


円盤の取り外し。大分慣れました。


で、まずは軸の確認。やはり軸は筒状でした。まぁ、そうですよね。どうすればこれが前回の丸い先端になるんだ!?


円盤の比較。左から前回のもの、今回のもの、最初の小さいものです。今回のものは印刷色もピンクでなく、軸も大丈夫そうで、完璧な円盤です。


で、取り付け。


何の苦労も無く、あっけなく付きました。前回の苦労はなんだったのか。一番最初にこれを入手してればどんなに楽だったことでしょう。。


ケースに戻し、やっと完成。最初のレディースサイズの円盤よりも外側を回る様になってくれ、これでシチズンオリジナル並みな感じになりました。


ドナーとなったトランスコンチネンツの時計達。円盤なしで元に戻しメルカリで売りますかね?


で、最初にアップした画像です。ジェットマークはやはりクオーツのピッピッとした動きでなく機械式のチチチチチ、とした動きが良いですね。と言いますか、音叉時計のスイープ運針がベストかと思いますので、同シチズンのハイソニック(60年代の音叉時計)にも付けてみたいです。


インスタにアップした動いてる様子です。1分に1回黒いジェットマークとニアミスをします。


ということで、思いの外苦労した(+金額もかかった、ていうか本来こんなに苦労しないはずの)、透明円盤秒針移植のご紹介でした。このトランスコンチネンツの時計が出たのはもう何年も前なので、出た当時に同様の事を行なったシチズンファンの方もきっといらっしゃるのではないでしょうか。ざっとweb検索しても見つけられなかったのですが、もしもいらっしゃったらご連絡を頂けると嬉しいです。